沖縄から見ると、すべてが違って見える
たちあがれ琉球沖縄
政治学・法律学で考える海洋王国の歴史と未来
仲嵩達也[著]
2022年
8月9日発行
与那国出身、沖縄の歴史と心を知り尽くす著者が、琉球のアイデンティティ再建を訴え、沖縄独立の可能性を政治学と法律学の観点から論じる。
著者は、沖縄戦の際に軍部に抵抗して島民の命を守った気骨ある医師の孫。沖縄返還前、中学3年生の夏には、「豆記者」として東京に招かれ、佐藤栄作首相(当時)に「一日も早く沖縄を抱き取って下さい」と訴えた。佐藤が目頭を押さえるのを見て、子ども心に気持ちが通じた手応えを感じたが、翌日の全国紙に掲載された記事の見出しは、「政界の団十郎、沖縄の子どもたちに大芝居」というものだった。
いま、半世紀の時を経て改めて訴える──琉球の明日は、日本からの押し付けではなく、うちなんちゅ(沖縄人)が主体的につくっていかなくてはならない。琉球沖縄を取り戻せ!
仲嵩達也(なかたけ・たつや)
評論家。出身地沖縄をめぐる問題について、政治と法律、歴史、文化の視点から考察をつづけている。1951年、沖縄・与那国島生まれ。1969年、沖縄県立八重山高校(石垣島)卒業。1974年、法政大学法学部法律学科卒業。1977年、明治大学大学院法学研究科民事法学専攻修了(M.A)。その後、予備校講師として大学受験指導、公務員試験受験指導、ロースクルー受験指導などにもたずさわる。
目次
第1章 薩摩藩による侵略──奪われた海洋国の豊かさ
第2章 琉球処分──嘘と暴力による併合
第3章 植民地支配──薩摩藩から明治政府へ
第4章 沖縄戦──皇土防衛の捨て石
第5章 戦後復興──それは与那国島から始まった
第6章 昭和天皇──沖縄から逃げ続けた大元帥
第7章 米国への献上品──日本独立の犠牲となった沖縄
第8章 米軍の占領政策──「戦利品」としての沖縄
第9章 沖縄返還──日本は沖縄を米国に売った
第10章 辺野古米軍基地──物理的に不可能、安全保障面で無意味
第11章 日米地位協定──固定化してしまった憲法違反
第12章 安全保障──対米従属で高まる戦争の危機
第13章 尖閣諸島──日本政府が恐れていること
第14章 琉球独立──世界平和の架け橋となれ